インフラ設計

システム監視設計の基礎② ビジネス監視の概要

 こんにちは。システム監視設計の基礎 第2弾としてビジネス監視について記載。ビジネス監視は、ユーザー目線の監視であり、システムがビジネス目的を達成しているか監視するものです。この観点の監視設計は、システムの目的を理解したうえでの監視の概念となってきます。


ビジネス監視とは

 ビジネス監視は、もっともユーザー視点の監視であり、構築されたシステムが目的となるビジネスにどのくらい貢献しているかを定量的に評価するための材料を提供するものです。


KPG と KPIを知る。

 ビジネス監視を考える時に非常に重要な事項として、KGIとKPIがあります。

 KGIは、 「Key Goal Indicator」略称で、日本語では「重要目標達成指標」となります。企業や組織、チーム、個人が何らかの目標を目指して活動する際に、目的が達成されているかを推し量るために用いられるのがKGIです。

KPIは、 「Key Performance Indicator」略称で、こちらは「重要業績評価指標」と呼ばれています。KPIは最終目標を達成するために必要な個々のプロセスを評価するための指標です。

 KPGを実現するための個々のプロセスの達成度合いを評価するためのものとなります。個々のKPIを実現してゆくとKPGが実現するイメージです。

システム監視とKPI・KPGの関係

 一見システムと関係なさそうなKPIとKGIですが、監視という意味では関係があります。

 システムは、 KGI やKPIを満たすことを目的に開発・構築されてきます。もっと言えばシステムは、 KGI やKPI を実現するための道具です。そうするとその道具(システム)がどのくらいKPIや KGI を満たすことに貢献しているか計る必要があるのです。

 例えばWEB通信販売のシステムの KGI が100万円の売上であり、KPIとして会員数、会員あたりの売上、同時購入品数があるとします。この場合は、システムとしても売上、会員数、会員あたりの売上、同時購入品数を可視化し定量的データとしてアウトプットする必要があります。これがビジネス監視です。

ビジネス監視設計の考え方

 ビジネス監視の設計の成功のためにはは、KGIやKPIを理解することが重要です。要するにシステム開発の背景の理解です。これを理解しないとKGIやKPIを理解することができません。

 システム開発の背景といっても具体的な値ではなく、漠然とした目標の可能性があります。例えば「業務効率化をする」これだと何をどう評価するのか不明です。

 もしユーザからこういった背景(目標)を示された場合は、この目標を具体的に何で評価するのかしっかり確認しましょう。(場合によっては一緒に考える)何で評価するのかさえ決めてしてまえば、それに関する情報を収集するだけなので監視対象を決めるのは簡単です。売上なら販売明細DBから売上金額を足し算するだけなどです。

 もう一点補足すると監視する頻度もユーザと確認が必要となります。すべてがリアルタイム監視が必要ということはないはずです。これはリアルタイム監視で、これは日次で監視、これは月次で監視などあるはずです。ユーザ側の集計タイミングを確認して不要にデータ収集を頻繁に行わないようにしましょう。処理によってはサーバ側への負荷となります。

 なお、ビジネス監視の監視結果の確認手順は、ユーザー自身が取得または自動取得可能にしましょう。そうしないと毎回システム開発SEや運用担当者が取得することなってしまいます。ユーザ引継ぎ可能な監視設計を行うことを意識してください。

(システム監視設計の基礎①はこちら)

  • この記事を書いた人

marusuke1216

30代のシステムエンジニア。 インフラ関連の案件中に従事している。 資格は、ネットワークスペシャリスト、PMO等を保有。

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