この記事では、プロジェクトマネジメント計画書の目的と記載内容を解説します。プロジェクトマネジメントという言葉広く何を記載すればよいかわからない方の一助になればありがたいです。
なお、記載内容はPMBOOKがベースです。
プロジェクトマネジメント計画書の目的
まずプロジェクトマネジメント計画書の記載目的です。目的がわかっていないと作成する意味がありませんし、実効性がかけます。
プロジェクトマネジメント計画書は、プロジェクトの実行、監視・コントロール、および終結の方法を規定するドキュメントです。
そもそもですが、プロジェクトは大きく言えば、プロジェクトの計画、実行、コントール・監視、終結の4つのプロセスにわかれます。
この4つのプロセスの計画プロセス以降の方法を規定する(計画した)ためのドキュメントです。
このプロジェクト計画書の記載内容は、スポンサー(顧客等)などの関係者含めて合意する必要があります。(プロジェクトマネジャー単独でOKとは言えない)
プロジェクトメンバー、スポンサー等の関係者、このプロジェクトマネジメント計画書をみることで、今後の計画を把握し、プロジェクト実行中における現状と計画の乖離状況を把握します。
プロジェクトマネジメント計画書の記載内容
プロジェクトマネジメント計画書の記載内容は非常に多岐にわたります。PMBOOKをベースにすると以下のような補助資料を作成します。
項目 |
スコープ・マネジメント計画書 |
要求事項マネジメント計画書 |
スケジュールマネジメント計画書 |
コストマネジメント計画書 |
品質マネジメント計画書 |
資源マネジメント計画書 |
コミュニケーションマネジメント計画書 |
リスクマネジメント計画書 |
調達マネジメント計画書 |
ステークスホルダーエンゲージメント計画書 |
またプロジェクトにおいてもっとも重要となるベースラインとして、スコープベースライン、スケジュールベースライン、コストベースラインの3つを規定します。
作業範囲、スケジュール予算を規定するものです。
加えて変更マネジメント計画書・コンフィギュレーションマネジメント計画書も作成します。これはプロジェクトが実行プロセス以降になってからプロジェクトマネジメント計画書を変更するためのプロセスなどを規定するためのドキュメントです。
教科書的には、ここまでが記載事項ですが、実務的には全て記する必要があるかと言えば必ずしてもそうとは限りません。
作れば作るほどコストもスケジュールがかかります。そんな余裕がないプロジェクトもあります。自分のプロジェクトにたいして何が必要か見極めて作成する必要があります。
個人的にはベースライン関連するスコープ、コスト、スケジュール関連は作成必須。加えて変更管理も。一方でステークスホルダーエンゲージメント計画や調達はプロジェクトによりますが、優先度を落としても良いと考えています。
プロジェクトマネジメント計画書の作成方法
プロジェクトマネジメント計画書に必要となるインプットと作成方法をご説明します。何を元ネタに作成して、どんな作業をしながら作成するのかというところです。
プロジェクトマネジメント計画書のインプット
プロジェクトマネジメント計画書は、主にプロジェクト憲章(詳細はこちら)がインプットです。それに加えて組織の環境要因、組織のプロセス資産がインプットです。
組織の環境要因は、国や業界における標準、法規制や自社の文化やガバナンスの仕組みになどです。
組織のプロセス資産は、組織が培ってきた標準やガバナンスの標準などです。
これらをインプットに作成します。
プロジェクトマネジメント計画書のツールと技法
要するにどうやってプロジェクトマネジメント計画書を作るのかです。
一般論に近いので当たり障りないですが、以下のような事項を行うことで開発します。
- 専門家の判断(詳しい人にヒアリングする)
- 情報収集(ブレーンストーミングなど)
- コンフリクトマネジメント
実務上ではコンフリクトマネジメントは重要です。品質一番の人もいれば、スケジュールが一番の人もいます。様々なポジションの人の意見を聞きながら計画書に落とし込む必要がありまります。
常に変更を意識する
プロジェクトマネジメント計画書は計画プロセスで作成するものです。
計画通りに作業が進むのは理想ですが、実効的にそんなことはりません。そういう時はしっかりと統合変換理プロセスにのっとりながら、計画を変更することも必要です
どうしても計画書というものを作ると金科玉条のように思ってしまうかたもそうでもありませんので、そこは意識して頂きたいです。
プロジェクトは計画を守ることが目的ではなく、プロジェクトの目標を満たすことが重要です。