こんにちは。
昨年初頭から話題のティール(進化型)組織の概要を過去の組織体系とティール組織は何が違うのか?という観点を軸に纏めてました。
1.ティール組織とは?
ティール組織とは、従来のトップダウン組織の上位から下位への命令指揮系統による組織運営ではなく、セルフマネジメント(自主経営)を軸とした各自が自立することによる組織運営のことです。
ティールという英単語は,日本語だと「鴨の羽色」のことです。「鴨の羽色」も聞きなれないかもしれませんが、「青緑」のことだと思ってください。
ティール組織の発案者であるフレデリック・ラルー氏が著書「ティール組織」の中で各時代の組織モデルをカラーで表しています。その際に、進化型組織のことを「ティール」すなわち「青緑」で表現したため、ティール組織と呼ばれています。
ティール組織は,「自主経営」「全体性」「存在目的」という3つの考え方があります。概要は以下の通りです。
2.これまでの組織モデルとティール組織の関係
(1) 組織モデル
太古より人類は集団で生活する生き物です。そのため,大昔から組織モデル(社会)は存在しています。社会・科学の発展ともに組織モデルを進化しています。 ティール組織 の発案者である フレデリック・ラルー氏 は,各時代の組織モデルを色で表現しています。具体的なモデルと特徴は以下の通りです。
個人的には日本の組織は、アンバー組織が多いのでは?と思っています。
(2) 組織モデル同士の関係
時代ともに組織モデルが変わってきていますが、新しいから優れているというものではなく、時と場合によってはレッド組織の方が適していたり、アンバー組織の方が良かったりします。(例えば緊急時の危機的な状況はレッド型のガツンとした命令系統の方が迅速対応できることが考えられます。)そのため、「ティール組織」が何が何でも優れているわけではありません。
また各組織モデルはそれぞれ独立しているものではなく、新しいモデルは過去のモデルを内包しています。イメージ的には以下のようなイメージとなります。
さらに重要な点として特定の個人がレッド組織のタイプ、アンバー組織のタイプということはありません。 フレデリック・ラルー氏 の著書でも以下の通りに記載されています。
人はある特定の瞬間に、ある一つのパラダイムに「基づいて活動している」
「ティール組織」 フレデリック・ラルー著
所属する組織に周囲の人間によりパラダイムは変わるためです。
3.自主経営とは?
ティール組織は、自主経営、全体性、存在目的の3つの考えが軸ですが、スタートとなるのは「自主経営」です。「自主経営(セルフマネジメント)は従来の組織とは何が違うのでしょうか?
自主経営は読んで字のごとく自主的に経営するという考えです。この自主が誰を指しているかというと、経営者ではありません。各個人です。各個人がチームを編成して自主的に組織を経営するのです。
従来の組織は、いわゆるトップダウン型が多く、経営者から管理者へ命令が行き、管理者から労働者へ命令が行くという形です。これとは大きく違います。そもそも上司という概念がありません。
ティール組織では、人間関係がフラットです。このチームの中できちんと役割分担をして運営します。役割事態も自分で決めるので、自分の意志で拡張することが可能です。イメージとしては、プロジェクト型組織に近いスタイルの組織図となります。
例えば物を製造して販売する組織でしたら、営業・製造者・経理担当が一つのチームとなり活動します。各個人は、製造したり営業して役割を果たすことに重点を置かれます。このチームの中で上下関係はありません。
じゃあ、どうやって物事を決めるのかというと助言プロセスです。助言プロセスは何かというとフラットな組織においては誰が何を決めても良いのです。変わりに決める際は関係者すべてに助言を求めることが必要されます助言を求めたうえで各自が決定を下すというスタイルです。この助言にはすべて従う必要はなく助言に対して真摯な検討を求められます。この助言プロセスによりスピーディーかつ主体的な決定を行うことができます。
経営者側(従来の管理者側)の視点からすると大幅な権限委譲をすることになりますので,社員を信用してまかせるということが重要となります。(マクレガーのx理論・Y理論で言えばY理論を前提にしています。)
また上下関係がない代わりに細かく明確な役割分担を行います。これにより各自は”約束を守ること”が求められます。あたりまえのことですが,これが自主経営の前提となります。これができないと”自主経営”成立しないです。
基本的に自主経営をする場合は、各自が決められた役割の中で約束を守りながら、周りのメンバの助言(意見)に真摯な対応することが自主経営の入り口かと考えています。